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Special Artist File:01 図鑑(平山カンタロウ)

Special Artist File
「図鑑(平山カンタロウ)」

「気張るとロクなことないです」

KVAのライブサーキットフェスご出演の際に、バンド「図鑑」のVo.&Gt.平山カンタロウさんを独占インタビューさせていただきました!

《楽曲・活動紹介》
● メモリー(トヨタカローラのCMソング)
● ファンファーレ(王様のブランチEDテーマ)
● ゆら、ゆら、ゆら(ドラマ「のの湯」の主題歌)
● DRUM LOGOSでのワンマンライブ開催
● 福岡の大型野外フェス「NUMBER SHOT 2018」出演

若きミュージシャンが抱える悩みや将来の不安、それらとどのように向き合っていくべきか?
平山さんだからこそ語れる言葉にご注目ください。

「音楽が楽しいと感じてから、スタートライン」

---いきなりですが、音楽で食べていけるか不安な人が目の前にいるとして、平山さんなら何と声をかけてあげますか?

難しいですよねぇ。
僕自身、普通の仕事をしながら図鑑の活動を続けてるし。

---平山さんも、普段は別のお仕事をされているんですか?

やってますよ。
音楽だけで食べていくことって難しくて、苦しいことだってあるし、思い通りにならないことも多いです。
でもその分、「音楽でしか楽しめないこと」だってあります。
それが分かるまで音楽を続けてみないことには、スタートラインにも立てていないと思います。

---不安だからと言って二の足を踏んでばかりいては、スタートすら出来ないということですね。

そうですね、まずは音楽で楽しめる方法が見つかるまで続けること。
そこから判断すればいいと思うんです。
辛いと思えば辞めたらいいし、居続けてもいいし。
この話は、音楽以外の業界にも当てはまると思います。

---その分岐点まで続けるためには、どのような工夫が必要ですか?

人と繋がることが大事です。
音楽を続けるってなると収入に繋げる考え方が強くなりがちだけど、まずは「お金ではなく人」との繋がりが、大事だと思います。

「音楽を伝えるのは技術だけど、技術の成長には人が必要」


図鑑(平山カンタロウ)

---「図鑑」の下積み時代を振り返ってみると、どうでしたか?

今も下積みだって思ってます(笑)
でも嬉しいって思うことはあって、レコード会社からCDを出させてもらったり、CMやドラマにタイアップさせて頂いたり、あとは「Number Shot」に出演した時もすごく嬉しかったです。
ただ、それが全部一気にくるわけじゃなくて、
継続して活動してきたから徐々に積み重なった訳なんです。
だから、振り返ってみると「意味のある活動だったな」って思うし、「音楽が楽しい」と感じるまで続ける話にも繋がると思うんです。

---「もっとこんな活動をしておけばよかった!」と、思うことはありますか? 

今はそんなことないんですけど、20代の頃の自分って「人との繋がり」をあまり重視していなかったんです。
ライブ終わったらすぐに帰るみたいな。
でも、そうやって人との距離が空いたが故に気づいたのは、「音楽は技術で伝えるけど、その技術は人がいないと成長できない」ということ。
人が聴いてくれたり、背中を押してくれたりするから、「もっと上手くなろう!」って、思えるんです。
だから、人との繋がりは必要だって痛感した今では、音楽で繋ぐのは「お金ではなく人」って考えるようになりました。
もちろん、繋がりばかり作っていってもしょうがないだから、ちゃんと音楽に対する芯を持った上で、繋がることが大事だと思います。

---ファンから言われた嬉しい言葉はありましたか?

よく聞くような話だとタカをくくっていたんですが、「落ち込んでる時に『図鑑』の曲に助けられました!」って、実際に言われてみるとすごい嬉しかったです。
「本当にあるんだ」って、ビックリしました。
あと、「Number Shot」の出演が決まった時も、自分のことのように喜んでくれるファンの方がいてくれて、その時もとても感動しました。
改めて「音楽って、感動を売る仕事なんだな」って、感じました。

---「音楽は感動を売る仕事」という点について、詳しく伺ってもいいですか?

音楽もそうだけど、世の中にはいろんな商品が溢れていて、その全てに製作者の熱い思いや、掛けた時間が込められていると思うんです。
でも商品の場合、消費者の手に届くまでには時間と場所も大きく開いている。
だから、その熱い思いを感じ取ることは、なかなか難しいと思うんです。
でもライブは、その距離感がなくダイレクトに伝えられるから、製作者の思いが冷めることなく相手に届くんです。
これは当たり前なことだけど、本当にすごいことだと思ってます。

「いい意味のバカさという才能」


図鑑(平山カンタロウ)

---曲作りについてお聞きします。流行や自己表現など、意識していることはありますか?

20代の頃は、ライブでも音源作りでも流行を意識していました。
でも歳を重ねてくると、考え方が変わってくるんです。
「それって要はモノマネで、個性じゃないのでは?」って。
埋もれていく作品群の中で光るものを出すには、結局個性しかないんじゃないかなって。
それに気づいてからは、ナチュラルに自分の中から出てくるものを大事にしています。

---ナチュラルさを出すということは「言うは易し」という印象が強いですが、何かコツはありますか?

制作活動の中で勝手にそうなるもの、自然とそうなるもの、口から出てくる言葉、メロディ、コードを押さえる手、そういった「自分らしさ」を見逃さないようにすること。
あと、流行やマーケットを意識する作業は「アレンジの段階」だと割り切り、作詞作曲の作業に集中することも大事だと思います。
でも、それに気づいたのは20代後半から30代にかけてのことだし、それまでいろんなアプローチを試してきたからこそ分かってきたことだと思うので、続けていれば自然と見えてくると思います。

---音楽の才能はあると思いますか?

存在しない…とは、言い切れないと思います。
でも、才能以外の部分で補えるものも多いです。
例えば自分の場合、いろんなものに触れたり、自分に条件を課すとか、そういった才能以外で伸ばせるパワーも大事だと思います。
あと、これを才能と呼んでいいかは分からないけど、「音楽を続けること」を成し遂げるための才能には、「いい意味のバカさ」っていうのがあると思います。

---それは、どんな才能ですか?

僕らミュージシャンって、ギターや歌とか、音楽というオモチャでずっと遊び続けている子供のような存在だと思うんです。
だから、冷静に客観視できてしまった瞬間に冷めていって、そこで音楽を辞めてしまう人が大半だと思います。
でも「いい意味のバカさ」があると、勘違いできちゃうというか、ずっと遊び続けることができるんです。
あるいは、客観視した自分を二重人格みたいに「この子どもをどうやってプロデュースしようか?」って、考えられる才能があれば、続けることができるんだと思います。

---最後に、若手のミュージシャンに向けてコメントをお願いします。

「気張んなよ」ってことですかね(笑)
気張るとロクなことがない、だから無理しないで。
自分が苦しんでたら音楽なんて楽しめないですよ。
ライブでお金がかかって辛いなら、路上でもいいし。
この辺の話になると、結局また「人と繋がること」が重要って話になって、その人はきっと自分が想像もしてなかった世界に連れてってくれます。
いろんな人と繋がりながら、音楽で楽しむ方法を探してみてください。


集合写真

【告知】豪華プロミュージシャンがKVAに集結!

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ただ聴くだけのライブではない、通常絶対に見られない《プロの裏側》を自由に見聞きすることができます。
1日限定のスペシャルバンドを「ありえない距離」で体感しよう!

● 日時:6/29(土)13:00~15:00

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※1: 予約画面の「希望講座」にて以下のようにご入力ください。
ミュージシャン系→V043 プロとゼロ距離のライブセミナー!
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山口(下関・防府・周南)・大分(別府・日田・大分)


KVAアーティスト特集「yonawo」

KVAアーティスト特集
「yonawo」


「yonawo」

左から斉藤雄哉(Gt.)/田中慧(Ba.)/荒谷翔大(Vo.)/野元喬文(Dr.)

「くっそフツーの家庭環境でした」

専門学校九州ビジュアルアーツ(KVA)のレコーディングスタジオで作業中と聞いて、バンド『yonawo』を緊急インタビュー!
KVA卒業生でyonawoのギター&アレンジ&レコーディングを担当する
ユウヤくんと、担任の立川先生からご協力頂き、本インタビューが実現できました!

※立川先生...ミュージッククリエイト学科&レコーディング専攻担任 兼 現役レコーディングエンジニア

「ゲスの極み乙女」川谷絵音さんからもピックアップされた楽曲「ijo」の制作の裏側や、最近のライブ事情についてお話いただくことができました。


ijoは構想を決める作業で苦戦してました


「yonawo」

---今回KVAでは、アナログ盤(レコード)を作るためにご来校したと伺いました。アナログ盤を作るようになったきっかけはありましたか?

田中)
...きっかけあったっけ?

荒谷)
ただメンバー全員が「アナログで聴いてみたい」って思ってました。
聴く環境なら、ユウヤの家にあるし。

斎藤)
あとレコードの需要もありそうなんです。
「yonawoをレコードで聴いてみたい」って、よく言われるので。

立川先生)
DJにも渡せるしね。

荒谷)
あーそうですね、聴いてもらえる環境も増えるし。


---1st EP「ijo(アイジョー)」と2nd EP「SHRIMP」についてお聴きします。SHRIMPではijoより更に音数が少なくなった印象を受け、アメリカのミュージックシーンの流行でもあるミニマルさが増したと感じました。曲作りでは、そのような「引き算の美学」みたいなことは意識していますか?

荒谷)
特別それを意識してるってことはなくって、ただ単にSHRIMPの方が「俺が影響を受けた音楽」とかの嗜好が強く出てるんだと思います。
ijo(イジョー)はみんなでアレンジしながら作って、SHRIMPはほぼ俺一人で作った「遊び」のような作品だったので。
だからijoは作るのに苦戦して、結構時間かかりました。

立川先生)
ijoって「イジョー」って読むの?

荒谷)
あ、どちらでもいいです(笑)
聴いてくれた友達が「アイジョー」って呼んでくれて気づいたんです。
「めっちゃいいやん」って(笑)

斎藤)
嬉しかったね、あれ。


---ijoの制作には苦戦したということですが、「構想があるけどピースがハマらない」という感じでしたか?

荒谷)
いや、構想を決める作業自体に苦戦しました。
最初決まっていたのが、リズムとキーボードとドラムくらいで。
ギターはユウヤがいい感じのアレンジしてくれたからよかったですけど、俺はくそキモいドラムパターン持ってきたりしてて。

斎藤)
あれはキモかった。

田中)
みんなの変なアレンジばっか聴いてて、頭おかしくなりそうだった。

野本)
16分のノリでベース弾いてみて、とか。

斎藤)
エフェクターでディレイをギュインギュイン掛けたりして。

荒谷)
すごい苦戦したけど、楽しかったです。


---実際、どれくらいの作曲期間でしたか?

荒谷)
ijoだけで2週間ぐらいかかって、あとの2曲は1日ずつで終わりました(笑)
そのあとのミックスも大変で、結果1ヶ月ぐらいだったと思います。


そのままライブでやってもつまらんよ


「yonawo」

アナログ・レコード用にマスタリングされた音源をチェック中


---yonawoの魅力に「宅録感」や「ベッドルーム感」といった表現がよく用いられるのですが、どう感じますか?

荒谷)
え、そんな風に言われてるんですか?(笑)

斎藤)
でも嬉しいよね、狙い通りな感じ。
一回、KVAにもあるようなカッチリしたレコーディングルームで録ってみたんですけど、ダメでした。

荒谷)
曲の息が詰まって死んでいくのを感じて、「そろそろ死ぬよー!」って、曲が言ってたのを覚えてます。
基本yonawoの曲はユウヤの家での宅録なので、やっぱり空気感とかが出てるんだと思います。


---それらのyonawoの印象に対して「ライブ」というのはある意味反対のところにある音楽表現だと思います。一度、福岡でのライブを聴かせて頂いた時、聴く前は「どうなるんだろう」って不安だったのが、実際はとても良い空気感のステージでした。ライブ演奏で何か気をつけていることはありますか?

田中)
…あるっけ?

荒谷)
あるやろ。

斎藤)
曲のアレンジが全然変わります。
ijoだってだいぶ変わるし、SHRIMPSの曲に至っては全般的に「そのままライブでやっても絶対つまらんよ」って、メンバー全員意識してました。

荒谷)
宅録感だから伝わる良さと、ライブでの魅せ方は手法を変える必要があると思います。


---最近のライブといえば「ゲスの極み乙女」のリーダーである川谷さんも所属するバンド「ichikoro」との対バンが話題でしたが、手応えはどうでしたか?

荒谷)
「下手くそーーー!!」って怒鳴られるかもってビクビクしてたんですが、良かったです。CD買ってくれた方もいたし。

斎藤)
普通に楽しかったよね。


---川谷さんとはお話しできましたか?

荒谷)
打ち上げの席でお話できました。
「もっとおっさんかと思ってた」って言われました(笑)


---フジテレビの番組「Love Music」でも、川谷さんが「20歳とは思わなかった、こんなに上手いなんて」という趣旨のコメントを出されていましたね。

斎藤)
お会いした時も「50代ぐらいのおっさんかと思ってた」って、褒められました。

田中)
でも別に、俺たちフツーに育ってきたよね(笑)

荒谷)
うん、くっそフツーの家庭環境だった(笑)
ユウヤの家だけ少し特別だったけど。


---「くっそフツーの家庭環境」のyonawoですが、一人のエースが引っ張っているグループというより「それぞれの感性が共鳴しあって出来ている」という印象があります。曲作りやライブの場面で、意図せず生まれた「化学反応」や「偶然の産物」はありましたか?

荒谷)
確かに、そういうのあるよね。
サトシ(田中)が、ライブ当日にベースライン変えてきたことがあります。
あの、ウォーキングベースのやつ。

田中)
あぁ、あったね。

斎藤)
打ち合わせもなくステージ上で披露されたけど、あれは良かったよね。

荒谷)
yonawoは各自で好き勝手アレンジできるので、こういうのは結構あります。
まだあるしね、引き出し。

田中)
うん。全然ある。


---最後に、急増中のyonawoファンにメッセージお願いします。

荒谷)
…なんかある?(笑)

田中)
えっと、いつもありがとうございます。

斎藤)
差し入れ待ってます。できれば日本酒がいいです。

荒谷)
くそバンドじゃん。

立川先生)
「飛露喜をください」ってちゃんと言わないと。


「yonawo」

KVAアーティスト特集「辻貴光」

KVAアーティスト特集
「辻貴光」


「辻貴光」

「悩んでいるように見えて、本当はもう答えがあると思う」

温かくてキラキラしたサウンド作りなら断トツの実力者、サウンドクリエイター専攻『辻貴光』
在学中から、シンガーソングライター「波多野 菜央」さんの楽曲アレンジに加わりました。
ボーカロイドや、ギターの弾き語り、劇伴曲など、マルチに活躍する辻くん。

KVA在学中にどんなことに取り組んできたのか、その軌跡を追ってみたいと思います。


自分のアレンジじゃないと思って、全部やり直した

---実は辻くんに聞きたいことがあって、小瀬村晶さんが好きって聞いたんですけど、本当ですか?

(笑)
歌手の「NIKIIEさん」からの繋がりで知ったんですけど、透明感とか、ああいうキラキラした雰囲気のインストはよく聴く方だったので、小瀬村さんは好きです。


---ここから真面目にインタビューしますが、サウンドクリエイター専攻ではどんなことに取り組みましたか?

コードやDTMの操作方法といった作曲基礎を学んだ後、放送・映画学科が作成した映像の劇伴曲を作ったりゲームクリエイター学科に楽曲提供したりと、実践的に課題をクリアしてきました。


---作曲は、どのように進めていますか?

昔は、メロディとコードから作っていましたが最近はメロディと歌詞から取り掛かっています。


---初期段階に歌詞に手をつける手法は、珍しくないですか?

コードが先だと「縛られる」ような引っかかりがあって歌詞をみると、逆にメロディが思いつくことがあったので今のような手法に落ち着きました。


---最近では、波多野菜央さんの1st Album「太陽と月」に楽曲アレンジで参加されたと聞きました。具体的には、どのようなことを行いましたか?

まず、弾き語りの原曲を元に、選抜メンバーがそれぞれが好きなようにアレンジしました。
その後、それぞれからイイ部分をピックアップして1曲にまとめる、という合作のような流れでした。


---実際にアレンジをやってみて、難しかったことはありましたか?

やっぱり弾き語りのイメージに引っ張られてしまって、最初は上手くいきませんでした。
バンド形成で、ドラムの生音とかでアレンジしましたが「自分のアレンジじゃない」と思って、全部やり直しました(笑)
それから、コード進行を組み直したり、ビブラフォンやストリングスの音を入れて、やっと納得のいく出来になったと思います。


---他の人のアレンジを聴き比べて、どう思いましたか?

楽器編成もコードも自由にアレンジできるんですが、古庄くんのアレンジがすごく新鮮でした!
弾き語りからシンセの音を使おうなんて発想、全くなかったです。
でも、シンセって要素だけじゃなく、フレーズも良くて。
すごくよかったです、実際にシンセの部分は採用されていました。

古庄紘樹くんのインタビュー記事はコチラ


---プロのアーティストの楽曲アレンジという現場を体感してみて、振り返ってみるといかがですか?

僕の採用部分は、サビのストリングスアレンジでしたがそこに五魚先生の手が加わり、さらに良くなりました。

※五魚先生:ミュージッククリエイト学科講師 兼 現役作曲家・アレンジャー・キーボーディスト

アレンジャーとしてクレジットに載せて頂けた嬉しさと、「まだまだ学ぶべきことが多いなぁ」と、いい発見にもなったと思います。


自分の中だけでは想像もつかない形で音楽が出来上がる


「辻貴光」

---先述したこれまでの取り組みに「劇伴曲の制作」とありました。具体的にはどのような取り組みですか?

放送・映画学科の学生さんが作った短編映画のサウンドトラックを作るという内容で、それをチーム毎にして出来を競いました。


---実際に聴いてみると、チームによって全然違いますね。

違いますね(笑)
僕のいたAチームは2位だったんですが、1位のBチームはやはり予想外のアプローチというか。
でも、みんな違う良さがあって、面白かったです。


---チームで音楽を作ることは多いですか?また、チームで作ることの難しさや面白さはありますか?

Co-Writeの影響により、チーム制作は増えてきました。
1年生と混同でチームを組むこともあります。

※Co-Write:楽曲制作を役割分担し、それぞれの長所を発揮しやすくなる世界的トレンドでもある作曲方法。

Adachi学園(KVAを含む学校法人)は、この形式での全国コンペを開催し、メジャーアーティストへの楽曲提供を実現している。

難しいのは、やはり最終判断を下すヘッドだと思います。
意見がぶつかると、どっちを採用するかって話になるので譲ることもありますが、心の中では「くそ~」って思ったりします(笑)
その分、自分の中だけでは想像もつかないような形で楽曲が出来上がることもあるので、その刺激はとても面白いです。


---KVAで印象に残っている授業はありますか?

立川先生のミックスの授業が、とても印象的でした。
ヴォーカル、ギター、ドラムのスネア、バスドラなど、ひとつの音楽にはいろんな要素が含まれているので、ぶつからないよう最善の調整をする」という授業でした。
あの授業は、今でも音楽制作の参考になっています。

※立川先生:ミュージッククリエイト学科&レコーディング専攻担任 兼 現役レコーディングエンジニア


---入学前と後で変わった、音楽に関する捉え方などはありますか?

無邪気に聴くことができなくなった気がします(笑)
どうしてもアレンジャー視点で聴いてしまって、どんな音が使われているか、自分ならどうするか、無意識に集中してしまいます。
それはそれで楽しいですが、うまく切り替えられるようになりたいです。


---恒例の、困らせてしまう質問で申し訳ありません。音楽を続けようか迷っている後輩に、一言お願いします。

僕は、ちゃんとした音楽経験がないままの進学でしたが不安は「遠方からの進学」くらいで、音楽ができることにはワクワクしていました。
多分ですけど、悩んでいるように見えて本当は自分の中に答えがあるんだと思います。
それが本当にやりたいことのはずです。
やらないと後悔すると思うので、ぜひ挑戦してみてください。


「辻貴光」

KVAアーティスト特集「古庄紘樹」

KVAアーティスト特集
「古庄紘樹」


「古庄紘樹」

「自分の音楽のために、どこを目指すかが大切」

サウンドクリエイター専攻で学びながら、DJとして活躍するKVA在校生アーティスト『古庄紘樹』
本校で開催されたイベント「ドリームキャンパス」でも、バチバチのパフォーマンスを披露してくれました。
でも「DJって何をするの?」って、分からない人も多いかもしれません。
そこで、今回は古庄くんの取材も兼ねながら、DJそのものにもクローズアップしてみたいと思います。


自分の音楽をレベルアップできる

---ドリームキャンパスでのDJステージ、お疲れ様でした。結構な人数が入っていましたが、緊張しましたか?

いや、あまり緊張しませんでした。
むしろ、発表会でのステージの方が緊張したと思います。

※発表会:ミュージシャン専攻の学生が3ヶ月に一度、オリジナル楽曲で披露するステージ。
本校の音楽講師および学外ゲスト(大手音楽企業の新人発掘担当など)から講評を得られる


---発表会で同じ曲を先生たちの前で披露した時は、どんな講評でしたか?

今回、ドリームキャンパスのステージだったので「少しクリスマスっぽく」と「高校生ウケ」を楽曲に求められました。
そこで、12月23日という時期を踏まえてクリスマス関連の曲と同月に発売された人気ゲーム(スマブラ)の音声をミックスした結果、オーダーに対するクオリティという意味で高評価はもらえました。


---会場で聴いていましたが、すごい異色の曲がミックスされてながら違和感はなくむしろカッコイイ音使いだと思わせられる楽曲でした。普段のDJプレイでは、どんなパフォーマンスを披露していますか?

例えば、クラブハウスで30分の持ち時間を与えられたら30分の間ずっと音楽を鳴らし続けなくてはならないので、「どんな曲で構築しよう?曲と曲の繋ぎをどうしよう?」などを考えます。
踊れる曲のあとに静かな曲とか繋いでしまうと、当然ながらフロアが盛り上がらないし。
それで、実際のステージでは曲との繋ぎを自然にするためにピッチ・コントロールで曲のテンポを調整したり、カットインやロングミックスの手法を選んだり、フロアのノリを崩さないよう周りを見ながら調整を加えたりしています。


---実際にDJをしていて、やり甲斐を感じる時はありますか?

自分のパフォーマンスで盛り上がったら、嬉しいですよね。
あと、発表会で先生たちからアドバイスを貰えた時も嬉しくて、「またひとつ自分の音楽がレベルアップできる」って感じます。


自分を出す場所として、海外で活動したい


---現在、FAシステムでドラムの授業も受けていると伺いました。

「ドラムもちょっと叩けるようになったらいいなぁ」とは思っていますが、DJにとって必要なキザみ方や、聴き手を上手に乗せるコツなどテクニックを磨く意味でも役立てています。

FAシステム:空きコマで他学科の授業を受けられるシステム


---元々「DJがやりたい」と思って、サウンドクリエイターに進学したのですか?

いや、DJを本格的にやり始めたのは2年生に進級してからです。
高校生のころ、よく聴く音楽がEDMやダブステップだったので「バンドではないよな」と思って、サウンドクリエイター専攻を選んでいました。


---進学前から音楽経験はありましたか?

少しだけ、ピアノを小学4年生から中学生までやってました。



---その状態からのスタートに不安はありませんでしたか?

「行ったらやるやろ!」って思ってました。笑
姉もKVA卒業生なので、両親の理解もスムーズだったし。


---初耳でした。お姉さんもKVAなんですね(笑)音楽をやっていて楽しい時と、辛い時はありますか?

やっぱり発表会でいいアドバイスを頂ける時は楽しいです。
辛い時も、発表会ですかね(笑)
自分の作曲って「これいいな」って思える手法からインスパイアを受けて「自分が好きと思える音」を使いながら曲を作っていくってプロセスなんですが、作りながら「これでいいのか・・・?」って、直前まで不安になります。
終わった後は、アドバイスをもらえるので楽しめています。


---今後の音楽活動において、将来像はありますか?

自分を出す場所として、海外で活動してみたいので、今年から何度か渡航してみる予定です。
海外って室内だけでなく野外でもDJ中心のフェスが多く開催されているので、その時期を狙って参加して、自分のDJプレイを見てもらいながら人脈を作って、日本にいる間は作曲に集中して、っていう感じで準備していくつもりです。


---この質問、本当にいつもみんなを困らせて申し訳ないのですが、音楽を続けようか迷っている人に向けて一言お願いします。

体験入学とかに早めに参加して「早く知ること」が大事だと思います。
自分は、入学前の活動をあまりしっかりしていない方だったのでもし、ちゃんとやっていたら入学時から既にDJに取り掛かっていたかもしれません。
好きな音楽のジャンルはEDMやダブステップって、分かってた訳だし。
自分の状態を聞いてもらった上で、業界のことを教えてもらって、どこを目指せば、自分のやりたい音楽が出せるか?」が早めに分かれば、さらに有意義な時間の使い方が見えてくると思います。
それに、「音楽の聴き方」もわかるようになるので、いいと思います。


---すごく説得力のある言葉でした(笑)

ありがとうございます。
この質問、本当に難しいですね(笑)


「古庄紘樹」

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